御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現れ
へブル1:3「神の本質の完全な現れ」新改訳 「その存在そのものの厳密な描出」新世界訳 どちらがギリシャ語により忠実ですか
ChatGPT:
ヘブル人への手紙1章3節のギリシャ語原文の該当部分は次のようになります:
ὃς ὢν ἀπαύγασμα τῆς δόξης καὶ χαρακτὴρ τῆς ὑποστάσεως αὐτοῦ
特に注目すべきはこの部分:
χαρακτὴρ τῆς ὑποστάσεως αὐτοῦ
各語の意味:
- χαρακτήρ(charaktēr):本来は「刻印、印影、スタンプされた像」を意味し、転じて「明確な表現」「正確な写し」「本質の表現」などと訳されます。
- ὑπόστασις(hypostasis):文字通りには「下に立つもの」「実体、本質、実在」と訳されます。神学的には「神の存在の本質」や「存在そのもの」を指します。
各訳比較:
✅ 新改訳2017
「神の本質の完全な現れ」
- 「character(χαρακτήρ)」を「現れ」と訳し、
- 「hypostasis(ὑπόστασις)」を「本質」と訳しており、
- 「完全な(完全に)」という補足を加えることで、意図を説明しています。
→ 意訳寄りだが、神学的にはバランスが良く、意味はギリシャ語に即している。
✅ 新世界訳(エホバの証人)
「その存在そのものの厳密な描出」
- 「存在そのもの」=「hypostasis(ὑπόστασις)」の訳としてやや曖昧。
- 「厳密な描出」=「charaktēr(χαρακτήρ)」の訳としてやや直訳的。
→ より逐語的・文字通りに近いが、「存在そのもの」が神学的にあいまいな表現で、読み手によっては「人格」や「被造物的存在」と誤解されかねない。
✅ 総合評価:
観点 | 新改訳 | 新世界訳 |
---|---|---|
ギリシャ語の忠実度 | ★★★☆(意訳寄り) | ★★★★(逐語訳寄り) |
神学的な整合性 | ★★★★ | ★★(エホバの証人独自の神学に合わせている) |
読みやすさと誤解の少なさ | ★★★★ | ★★ |
結論:
逐語的には新世界訳の「厳密な描出」が原語に近いですが、
神学的・文脈的には新改訳の「神の本質の完全な現れ」がより適切かつ正統的解釈に沿っています。
特にキリストの「神性」を明確に伝える文脈では、新改訳の表現のほうが福音主義・プロテスタント的には妥当です。
あなた:
「御子は神の栄光の輝き」新改訳 「彼は[神の]栄光の繁栄新世界訳 この訳についてはどうですか
ChatGPT:
この部分のギリシャ語原文は以下の通りです:
ὃς ὢν ἀπαύγασμα τῆς δόξης
各語の意味:
- ὃς ὢν:彼は~である(関係代名詞+存在動詞)
- ἀπαύγασμα(apaugasma):輝き、放射、反映。
これは非常に重要な単語で、以下のような解釈があります:- 太陽の光そのもの(発光)
- または、鏡などによる反射された輝き(反映)
※文脈によってどちらにも解釈され得るが、能動的な「輝き」がやや優勢。
- τῆς δόξης(tēs doxēs):「栄光の」
各訳の比較:
✅ 新改訳2017
「御子は神の栄光の輝き」
- 「ἀπαύγασμα」を「輝き」と訳し、
- 「神の栄光の~」という文構造で素直に訳している。
→ 「輝き」は自然な日本語かつ、ギリシャ語にも忠実。
✅ 新世界訳
「彼は[神の]栄光の繁栄」
- 「ἀπαύγασμα」を「繁栄」と訳している。
- 原語から見ると、「繁栄(prosperity)」は誤訳に近い。
→ 「繁栄(prosperity)」という日本語は、経済的・成長的なニュアンスが強く、本来の「輝き・放射」の意味から逸れている。
結論:
観点 | 新改訳 | 新世界訳 |
---|---|---|
原語の忠実さ | ★★★★ | ★ |
神学的適合性 | ★★★★ | ★★(神性の側面が弱まる) |
日本語としての自然さ | ★★★★ | ★★(意味が通じにくい) |
総評:
「ἀπαύγασμα」を「輝き」とする新改訳は、原語にも神学的文脈にも忠実です。
一方、新世界訳の「繁栄」は、意味的にズレがあり、誤解を招く可能性があります。
したがって、この箇所も新改訳のほうが、ギリシャ語原文に忠実であり、正確な翻訳と言えます。